三菱総合研究所(MRI)とは?
転職前に知りたい事業内容・働き方・向いている人【2026年版】
株式会社三菱総合研究所(MRI)は、1970年に三菱創業100周年の記念事業として設立された総合シンクタンクです。東京証券取引所プライム市場に上場し、官公庁の政策立案支援から民間企業の経営コンサルティングまでを手がけます。グループにはITサービスを担う三菱総研DCSなどの子会社がありますが、本記事が主に扱うのは三菱総合研究所の本体です。事業の中身と業績の動き、働き方、キャリアの仕組みを公開情報から整理しました。
会社概要
| 社名 | 株式会社三菱総合研究所(Mitsubishi Research Institute, Inc./略称MRI) |
|---|---|
| 設立 | 1970年5月8日 |
| 代表者 | 代表取締役 社長執行役員 籔田健二、代表取締役 副社長執行役員 平井康光 |
| 資本金 | 63億3,624万円 |
| 従業員数(単体) | 約1,220名(2025年9月30日時点) |
| 従業員数(連結) | 約4,700名(2025年9月30日時点) |
| 本社 | 東京都千代田区永田町二丁目10番3号 |
| 国内拠点 | 本社、関西オフィス(大阪市)、中部オフィス(名古屋市) |
| 海外拠点 | ハノイ駐在員事務所、ドバイ支店 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3636) |
| 決算期 | 9月 |
| 事業セグメント | シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス |
三菱総研の設立時には、三菱グループの4社を同率の筆頭株主とする計27社が出資しました。基本理念は「独立・学際・未来志向」です。社会価値を優先した客観的な提言と、分野を横断する研究、将来に向けた政策の検討を、創業時から受け継いでいます。
その後、三菱総研は2009年に東京証券取引所へ上場し、2022年4月の市場区分の見直しでプライム市場に移りました。上場しているのは持株会社ではなく、三菱総研そのものです。
一方、表にある2つの従業員数は範囲が異なります。約4,700名は三菱総研と連結子会社9社を合わせた連結の人数で、三菱総研単体は約1,220名です。連結の内訳はITサービスのセグメントが約3,170名、シンクタンク・コンサルティングサービスのセグメントが約1,530名で、三菱総研単体の従業員は全員が後者に属します。このセグメントには三菱総研のほか、調査業務を担うエム・アール・アイリサーチアソシエイツなどの子会社も入ります。
このITサービスの中核を担うのが、連結子会社の三菱総研DCSです。2005年に子会社となり、金融機関向けシステムの設計・開発・運用や、給与人事のアウトソーシングを手がけます。社名は似ていますが三菱総研とは別の法人で、本記事で扱う研究員・コンサルタントの仕事は三菱総研本体のものです。
事業内容と特徴
三菱総研の事業は、官公庁と民間企業に向けた調査研究とコンサルティングです。官公庁向けには、社会公共と科学技術政策の両分野で、調査・分析から政策・計画の策定、事業の支援までを受け持ちます。対象は国土整備や交通運輸から、情報通信、医療介護福祉、環境・エネルギー、科学技術・安全政策まで広がっています。民間企業向けの柱は、経営・事業戦略や人事制度・組織改革、サステナビリティ経営のコンサルティングと、ITコンサルティングです。
こうした領域を受け持つのは、2026年4月時点で医療・介護とエネルギー・サステナビリティ、BA・AI、公共、経営・DXの各事業部門です。BAはビジネスアナリティクスの略で、AIを使った金融業務の効率化などを扱います。公共事業部門には安全保障や防災・レジリエンス、インフラ・都市などの政策を扱う本部が並び、調査・分析から制度設計、実装までを一貫して担います。
このうち医療・介護とエネルギー・サステナビリティ、BA・AIの3部門は、重点的に強化する集中領域です。いずれも政策形成の支援で長く知見を積んできた分野で、その知見を官民の両方で事業に結びつけています。医療・介護では創薬分野の新規事業化を支援し、電力・エネルギーでは分散型のエネルギーモデルを提案して実証まで手がけています。
一方、公共と経営・DXは総合領域にあたり、分野を横断する総合シンクタンクの知見が強みになります。官公庁向けの制度・政策とDX、民間企業向けの経営・DXが、この領域の支援対象です。DXの支援では、戦略と計画づくりから試行(PoC)、実装、デジタル人材の育成までを一括して提供します。
こうした事業の顧客は、官公庁が中心です。2026年9月期第3四半期累計では、シンクタンク・コンサルティングサービスのセグメント売上高425億円のうち、306億円を官公庁向けが占めました。三菱総研単体の同じ期間の受注は約1,910件・約500億円で、うち約380億円が官公庁向けでした。同社の集計では、受注額の83%が、政府が2025年11月に定めた17の戦略分野に関連します。
同社のもうひとつの特徴は、研究・提言から社会実装までを一続きで手がけることです。2010年代には「Think Tank」から「Think & Act Tank」へと事業の幅を広げ、社会課題を実装によって解決する方針を打ち出しました。独自の研究・提言は、MRIマンスリーレビューやコラム、書籍を通じて発信しています。
この実装の局面を支えているのが、グループのIT企業との連携です。三菱総研は三菱総研DCSなどITを強みとするグループ企業と一体でサービスを提供し、DXの推進やクラウドの活用、公共分野の地域づくりに取り組んでいます。
成長性・外部評価
三菱総研グループの連結業績は、2025年9月期に増収増益となりました。売上高は1,214億円で前期比5.3%増、経常利益は97億円で19.5%増です。この連結業績には、三菱総研DCSを中核とするITサービスのセグメントも含まれています。
そのうち三菱総研本体が属するシンクタンク・コンサルティングサービスは、同じ期に営業利益と経常利益がともに過去最高を更新しました。セグメント売上高は470億円で、受注高は前期比19.4%増の515億円に伸びています。
この伸びは2026年9月期に入っても続いています。第3四半期累計のセグメント売上高は前年同期比15.8%増の425億円、経常利益は35.2%増の75億円となりました。官公庁のレベル4自動運転やデジタル化の案件、民間企業のエネルギーや経営計画策定の支援、人工衛星関連の業務が伸びを支えています。受注残高も22.0%増の406億円まで積み上がりました。
実際に、2026年に入ってからも新しい取り組みが形になっています。3月には国の宇宙戦略基金事業に採択され、5月に公表しました。ドバイ支店を拠点に、中東での衛星データの社会実装と事業化を支援する事業です。同じ5月には、地方銀行の無担保ローン審査で三菱総研の審査AIサービスが実務に使われ始めました。7月からは、三菱総研が運営する住宅ローンのデータコンソーシアムで、加盟金融機関とAIを使った不正検知の共同化を進めています。
働き方・カルチャー
三菱総研の働き方は、「場所を選ばない働き方」を軸にしています。社員は自宅やサテライトオフィスなど働く場所を自分で決められ、一定のルールを満たせば地方への移住も選べます。キャリア採用の勤務形態は、裁量労働制かフレックスタイム制のいずれかです。
こうした働き方に合わせて、オフィスの環境も整えてきました。本社の執務室はフリーアドレスで、テレビ会議用のブースや、私語や通話を禁じた集中室を備えます。会議の多くは、会議室に集まる参加者と自宅などからつなぐ参加者が混ざるハイブリッド形式です。
また、目の前の案件の外に向かう時間も制度で支えています。勤務時間の一部を社内の自主研究や勉強会に充てられる制度が、「未来共創時間」です。キャリア形成に資する兼職も、事前申請による承認制で認められています。部署主催の講演会や有志の勉強会も頻繁に開かれています。
その土台にあるのが、知的好奇心の強い社員が多く、上下関係がフラットな社風です。組織や年代を越えたコミュニケーションが活発で、約30種のクラブ活動にも会社が費用の一部を補助しています。
さらに、仕事と家庭の両立を支える制度も早い時期から整えてきました。2016年には女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定で最高位を取得し、子育てサポート企業の「くるみん」認定も受けています。三菱総研単体の男性社員について、育児休業等と育児目的休暇を合わせた取得率は2025年9月期に75.0%でした。
キャリアパス・育成
三菱総研のキャリア形成は、「MRI版FLAPサイクル」を土台にしています。Find(自分や仕事を知る)、Learn(学ぶ)、Act(異動・配置で動く)、Perform(活躍する)の頭文字をとった名前です。マネージャーとの1on1や人事部との面談、年1回のキャリアカルテを通じて、社員一人ひとりがこのサイクルを回していきます。
このサイクルの「動く」を支えるのが、社内公募や社内FA制度、ローテーション・プログラムです。ローテーションでは社内の異動で専門性を複線化できるほか、三菱グループ各社や民間企業、海外の大学へ育成のために出向する道もあります。キャリアデザイン休職や、転職・留学などで退職した社員を再び迎える再雇用制度も設けています。
こうした選択を学びの面から支えるのが、2024年4月に開講したMRIアカデミーです。現役の研究員・コンサルタントが講師を務め、同社独自の「MRIコンサル・メソッド」を教えます。研修プログラムは400時間を超え、キャリア入社者には導入研修とフォロー研修、入社後の個別面談も用意されています。
また、2025年10月には人事制度を改めました。年次ではなく、担う仕事の内容や責任の大きさに応じて処遇する役割等級制度に統一し、等級は6段階のクラスに分かれます。評価の基準は、期初に立てた個人目標の達成度です。複線型のキャリアパスを可能にする「連峰制」も進め、専門性の異なる社員がそれぞれの道で高い職級に上がれるようにしています。
その先に描けるキャリアの形も多様です。公共・政策や企業経営、DXの分野でプロジェクトを率いる道のほか、新しい事業をつくる事業創造系、研究・提言を専門とするスペシャルティ系といった歩み方があります。コーポレート部門で専門性を生かすオペレーション系の道も用意されています。
向いている人
政策の側から社会課題に関わりたい人に向いています。三菱総研本体の顧客の中心は官公庁です。調査・分析から制度設計、実装までを一貫して担うため、提言した政策が形になるところまで関われます。
また、ひとつの専門分野を深めたい人にも合います。研究・提言を専門に歩むスペシャルティ系のキャリアがあり、研究活動への参加に年次や社内資格は問われません。2025年10月からの役割等級制度では年次ではなく担う役割で処遇が決まるため、若手のうちから大きな仕事に挑戦しやすくなっています。
さらに、AIとデータで業務を変える仕事に関心がある人にも向いています。BA・AIは会社が重点的に強化する集中領域のひとつです。金融分野では、融資審査を自動化するAIサービスや住宅ローンの不正検知の共同化がすでに実務で動いています。社内でもAIの活用を進め、その成果を社外向けのサービスに広げています。
加えて、働く場所を柔軟に選びながら専門性を磨きたい人にも合います。働く場所は自宅やサテライトオフィスから選ぶことができ、条件を満たせば地方移住も可能です。勤務時間の一部を自主研究に充てられる未来共創時間もあり、日々の案件と並行して自分のテーマを育てられます。
よくある質問
三菱総研はどんな会社ですか?
1970年に三菱創業100周年の記念事業として設立された総合シンクタンクです。東京証券取引所プライム市場に上場し、官公庁の政策立案支援から民間企業の経営コンサルティングまでを手がけます。従業員数は単体で約1,220名、連結で約4,700名です(2025年9月30日時点)。
三菱総研の働き方の特徴は?
「場所を選ばない働き方」を軸にしており、社員は自宅やサテライトオフィスなど働く場所を自分で決められ、一定のルールを満たせば地方への移住も選べます。キャリア採用の勤務形態は、裁量労働制かフレックスタイム制のいずれかです。勤務時間の一部を社内の自主研究や勉強会に充てられる「未来共創時間」という制度もあります。
三菱総研はどんな人に向いていますか?
政策の側から社会課題に関わりたい人、ひとつの専門分野を深めたい人、AIとデータで業務を変える仕事に関心がある人に向いています。働く場所を柔軟に選びながら専門性を磨きたい人にも合います。
まとめ
三菱総合研究所は、1970年の設立から官公庁の政策立案と民間企業の経営を支えてきた総合シンクタンクです。医療・介護やエネルギー、BA・AIを集中領域に据え、研究・提言から社会実装までを一続きで手がけます。本体が属するシンクタンク・コンサルティングサービスは、2025年9月期に営業利益と経常利益がともに過去最高となりました。働く場所を選べる制度や、2024年に開講したMRIアカデミー、役割等級制度が、専門性を磨く社員のキャリアを支えています。ステラキャリアズでは、各社の選考傾向を踏まえたご相談を承っています。
※本記事は2026年8月時点で作成しています。制度・人員規模・案件構成などは変更される場合がありますので、最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
参照: mri.co.jp ほか
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