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松尾研究所とは?
転職前に知りたい事業内容・働き方・選考の流れ【2026年版】

株式会社松尾研究所は、AIの研究成果を企業の事業や業務に実装する、2020年2月設立のベンチャー企業です。東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室とビジョンを共有し、研究室に伴走する会社として生まれました。大学の研究室そのものではなく、研究室から独立して経営される株式会社です。本記事では、両者の関係を切り分けたうえで、事業内容と働き方、中途選考の流れを公開情報から整理します。

会社概要

社名株式会社松尾研究所
設立2020年2月
代表者代表取締役 / CEO 川上登福
本社東京都文京区本郷4丁目1-4 10F
技術顧問松尾豊(東京大学大学院工学系研究科 教授)
主な事業AIソリューション開発/AI教育/R&D/インキュベーション

株式会社松尾研究所と、東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室は、別の組織です。研究室が担う研究に対し、同社はその成果の開発と実装を担う会社として設立されました。企業憲章では、大学との関係で利益相反が起きないよう、研究室から独立した経営体制を築くと定めています。研究室の教授を務める松尾豊氏は、同社では技術顧問の立場です。同社は自社を「松尾研」と略して呼ぶこともあり、研究室の通称と重なります。本記事では、会社を松尾研究所、大学の研究室を松尾・岩澤研究室と呼び分けます。

その関係の軸にあるのは、研究と社会実装の循環です。アカデミアで生まれた技術を産業界へつなぎ、社会実装で得た知見を研究へ還元するエコシステムをつくることが、同社の存在意義です。そのため、エコシステムの構築に必要な分を超える利益は、次の時代の研究活動へ還元すると企業憲章で約束しています。研究室から生まれるスタートアップとも異なり、同社は研究成果活用型のベンチャーとして研究室に伴走してきました。

同社の経営陣には、経営コンサルティングや金融・投資、会計・ガバナンスの経験者が並びます。研究室で修士課程を修了し、研究室発のスタートアップを創業した起業家も取締役に名を連ねます。

事業内容と特徴

松尾研究所の事業は、AIソリューション開発とAI教育を柱に、R&Dとスタートアップ創出にも広がります。そのうちAIソリューション開発は、深層学習領域の研究力を土台に、概念実証から実用化までを手がける事業です。開発を短期のプロジェクトで終わらせず、顧客のシステムや組織、事業の変革へつなげます。

その重点領域は、企業固有の業務知識で学習させる特化型LLM、研究から現場への橋渡しを担うPhysical AI、生成AIを組織の開発に定着させるAI駆動開発です。データサイエンティストの専門は、大規模言語モデルや強化学習、音声合成などに及びます。実績の業界も、製造業や自動車、金融、介護・医療、公共サービスなど13にわたります。

この開発を担うのが、AIコンサル、データサイエンス、MLシステム開発のチームが連携する社内の共同研究チームです。AIコンサルタントが案件の提案と立ち上げを担い、データサイエンティストが論文調査からモデルの実装、実運用への接続までを受け持ちます。業務コンサルタントは経営層や事業責任者から課題を聞き取り、あるべき業務の姿をゼロから描きます。

こうした案件の多くは、中長期にわたるものです。日頃から技術戦略や将来の展望を議論し、そこで生まれた仮説がプロジェクトに発展するため、10年先を見据えて企業に寄り添う案件が多くを占めます。依頼が経営層から直接届くことも多く、抽象度の高い課題を分解して具体化する工程から関わります。

もう一方の柱であるAI教育事業が育てるのは、技術と経営・事業戦略の橋渡しができる人材です。社会人向けには、AI発注力講座やデータサイエンスを学ぶGCIを開いてきました。2026年8月には学生向けに受講料無料のAIクオンツトレード講座を始め、社会人向けのDeep Learning 基礎講座の募集も始めています。企業向けの研修は、複数社合同の集合研修として提供します。

このうちGCIとDeep Learning 基礎講座は、東京大学で行われてきた講義と研究の知見をもとに、同社が社会人向けに組み直した講座です。大学で開かれている関連講座とは、運営主体が異なります。

さらに、R&Dでは、金融×AIのクオンツ運用研究をはじめ、技術の現在地を越えるための研究開発を進めています。インキュベーションでは、研究室発・学生発のスタートアップ創出を支え、起業家候補の発掘から技術シーズの事業化、シード期の伴走までを手がけます。

成長性・外部評価

松尾研究所は、2020年の設立以来、事業と組織の両面で規模を広げてきた会社です。2025年1月には、AIを使ったシステム開発に強みを持つ企業と、同社として初めての出資となる資本業務提携を結びました。同年6月には、事業の拡大に伴うメンバーの増員を受けて、本郷4丁目の現オフィスへ移っています。

この間、研究面でも成果が出ています。2026年7月には、同社の金融チームが進めるクオンツ運用研究の論文が、国際学会IIAI AAI 2026で最優秀論文に贈られるBest Paper Awardを受賞しました。受賞したのは、有価証券報告書の人的資本情報から企業の人材への投資を測る指標をつくり、株価リターンの予測に生かす研究です。

同社の技術力は、国際的なコンペや外部のプログラムでも評価されています。2026年4月には、所属するデータサイエンティストがKaggleで金メダルを獲得し、世界で393番目のCompetitions Grandmasterに認定されました。同じ月には、ロボット基盤モデルの開発を支援するAWSジャパンのプログラムに、同社が採択されました。

働き方・カルチャー

松尾研究所の働き方は、対面とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型です。リモートワークが認められており、データサイエンティストはリモート主体で、出社するかどうかも自由に選べます。時差出勤の制度があり、副業も可能です。

また、学び続けるための環境も同社の特徴です。業務や自己研鑽に使う書籍の購入制度に加え、論文の輪読会や勉強会が活発に開かれ、PCの機種もMacとWindowsから選べます。データサイエンティストの職場では、生成AIツールの月額利用料を会社が負担し、業務外の自己研鑽に使えるGPU環境も用意しています。

加えて、松尾・岩澤研究室の基礎研究チームとの連携により、最新の研究動向が日常的に入ってくる環境です。組織は別でも距離は近く、職種によっては研究室の施設が勤務場所になり、研究室の職を兼ねるメンバーもいます。世界モデルを自動運転に応用するプロジェクトでは、研究室の研究者が技術アドバイザーとして加わっています。プロジェクトに参加する学生インターンも、技術面では社員と対等な仲間です。企業憲章では、研究者と学生を雇用する際に本人の意思を尊重し、研究や勉学の妨げにならないよう配慮すると定めています。

こうした環境の土台には、設立当初から大切にしてきた議論と行動の文化があります。一見関係のない技術の話が議論の中で新しい事業のアイデアに結びつき、スタートアップ創出の原動力にもなっています。

キャリアパス・育成

松尾研究所は、職種の枠を越えて役割を広げられる会社です。データサイエンティストの場合、実装を中心に経験を積んだ後、中長期的にはプロジェクトマネジメントや顧客との連携にも関わり、AI開発全体をリードできるまで成長することが期待されています。提案の段階から加わり、データサイエンティストが自ら提案書を書くこともあります。

実際に、データサイエンティスト兼プロジェクトマネージャーとして参画し、2年目にリーダー、3年目に取締役へと役割を広げたメンバーもいます。社内にはリサーチャーやエンジニアからコンサルタント、経営企画、コーポレートまで多彩な職種がそろい、互いに協働しています。

中途選考の傾向

松尾研究所の中途選考は、カジュアル面談 → 1次面談 → 2次面談 → 最終面談 → 内定という流れが基本です。1次面談ではビジョンやバリューに照らして、2次面談では期待するコンピテンシーに照らして、これまでの経験を見ます。最終面談の段階では代表との1対1の面談とリファレンスチェックがあり、前後して人事面談も入ります。面談は原則としてオンラインです。必要に応じて、面談の合間にオフィス見学やワークサンプルの機会も設けています。

向いている人

松尾研究所は、研究の知見を事業の現場で使いたい人に向いています。論文の段階にある技術を実装し、概念実証で終わらせずに実運用まで持ち込む仕事が中心にあり、研究室との連携を通じて最新の動向にも日常的に触れられます。

また、業界を限定せずに、中長期で課題と向き合いたい人にも合います。実績は13の業界にわたり、案件の多くは10年先を見据えて企業に寄り添う中長期のものです。経営層と議論しながら、抽象度の高い課題を具体的な問題へ落とし込む経験を積めます。

さらに、コンサルティングで培った業務設計の力を、AIの社会実装に生かしたい人にも向いています。業務コンサルタントは、現状業務の分析からあるべき業務の構想、デモの企画までを担い、その示唆をもとにデータサイエンティストがモデルを開発します。

加えて、新しい事業づくりに関わりたい人にも適しています。社内の議論から事業のアイデアが生まれ、研究開発をカーブアウトした別会社も誕生しました。

よくある質問

松尾研究所はどんな会社ですか?

AIの研究成果を企業の事業や業務に実装する、2020年2月設立のベンチャー企業です。東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室とビジョンを共有し、研究室に伴走する会社として生まれました。大学の研究室そのものではなく、研究室から独立して経営される株式会社です。

松尾研究所の働き方の特徴は?

対面とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型で、時差出勤の制度があり、副業も可能です。データサイエンティストはリモート主体で、出社するかどうかも自由に選べます。論文の輪読会や勉強会が活発に開かれ、松尾・岩澤研究室の基礎研究チームとの連携により、最新の研究動向が日常的に入ってくる環境です。

松尾研究所の中途選考はどんな流れですか?

基本は、カジュアル面談 → 1次面談 → 2次面談 → 最終面談 → 内定という流れです。最終面談の段階では代表との1対1の面談とリファレンスチェックがあり、面談は原則としてオンラインです。

まとめ

松尾研究所は、東京大学の松尾・岩澤研究室に伴走し、AIの研究成果を企業の事業や業務へ実装する株式会社です。研究室から独立した経営体制のもと、事業はAIソリューション開発とAI教育を柱に、R&Dとスタートアップ創出へ広がります。評価は行動を軸にしており、職種の枠を越えて役割を広げられる点も特徴です。ステラキャリアズでは、各社の選考傾向を踏まえたご相談を承っています。

※本記事は2026年8月時点で作成しています。制度・人員規模・案件構成などは変更される場合がありますので、最新の情報は公式サイト等をご確認ください。

参照: matsuo-institute.com ほか

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