【マッキンゼーのリアルな1日と成長環境】
今回のゲストは、マッキンゼーでコンサルタントとして活躍していたChrisさんです。
朝8時に起きてクライアント先に向かい、夜は深夜1〜2時にようやくホテルへ戻る――そんな「マッキンゼーの典型的な1日」から、エンゲージメントマネージャー(EM)やパートナーとのリアルな関わり方、トップダウンの徹底、そしてコンサルキャリアの価値まで、率直に語ってもらいました。
「激務だけど、その分のリターンは本当にあるのか?」「パートナーってどんな存在?」「コンサルに行くべきか迷っている」――そんな不安や疑問を持つ読者にとって、具体的なイメージが湧く内容になっています。
■ 第1部:マッキンゼーコンサルタントの「典型的な1日」
Q:マッキンゼーでの典型的な1日、具体的にはどのようなスケジュールで動いているのでしょうか?
A:そうですね、典型的な1日は朝8時頃に起きることから始まります。通常は朝食付きの良いホテルに滞在しているので、そこで朝食を済ませて準備を整え、午前9時頃にはクライアントのオフィスへ向かいます。
Q:9時に出社して、まず何をするんですか?
A:まずはチーム内でのデブリーフィング(状況確認)です。昨日までにどのような論点を解いたのか、バックオフィスからどんなデータが届いているか、そして今日はどのようなスライド(ページ)を作成できるかを確認します。このエンゲージメントマネージャー(EM)とのチェックインが終わると、正午までは作業時間になります。
Q:9時から12時までの3時間は集中作業ですね。
A:ええ、ただ色々なことが起こります。最初の1時間はスライド作成に充てられても、クライアントからのデータが必要になることもあります。その場合は10時から11時までクライアントミーティングが入ることもありますし、チーム全員が出席すべき緊急の会議が入れば、作業を中断して大会議室に向かうこともあります。
Q:ランチはどうしていますか?
A:スケジュール次第ですね。レストランに行けることもあれば、Uberやコンビニで済ませて、働きながら食べる「ワーキングランチ」になることもあります。通常は30分から1時間は確保できますが、午後一番で重要なプレゼンがある緊急事態などの場合は、サンドイッチを片手に15分で食事を済ませながらスライドを仕上げることもあります。
Q:毎日決まったルーティンがあるわけではないんですね。
A:はい、コンサルタントに決まったルーティンはありません。その日に解くべき「問い」や会議の量によって日々変わります。通常のプロジェクトであれば、週に1回、クライアントのCEOと同席してスライドを通す「ステアコ(Steering Committee/運営委員会)」という会議があり、基本的にはこの日程に合わせてスケジュールが組まれます。
■ 第2部:午後の業務・バックオフィス体制・そして「チェックアウト」
Q:午後の業務やサポート体制についても教えてください。
A:午後はクライアントミーティング、データ分析、スライド作成などが続きます。ここで重要なのが、クライアントが持っていないデータが必要な場合です。マッキンゼーにはリサーチユニットというバックオフィス機能があるので、そこに調査を依頼できます。もし彼らでも見つけられない場合は、自分でリサーチを行う必要があります。そのため、リサーチ、分析、スライド作成にそれぞれどれくらい時間を配分するか、計画を立てることが重要です。
Q:スライドの見た目を整える専門部隊もいると聞きました。
A:はい、マッキンゼーには「VGI(Visual Graphics India)」というチームがあり、彼らがスライドを美しく仕上げてくれます。これによって睡眠時間を確保できるので非常に助かります。
Q:1日の終わり、いわゆる「チェックアウト」は何時頃ですか? マッキンゼーでの典型的な退社時間が知りたいです。
A:忙しさによりますが、午後7時から深夜1時の間ですね。順調にマイルストーンを達成できた日は夜7時頃に終えて、チームで夕食に行くこともあります。一方で、日中に会議が詰め込まれていて、夕方以降に分析や資料作成を始めなければならない日は、夜10時以降、悪いと深夜1時、2時になることもあります。
Q:今までで一番遅かったのは?
A:最悪だったのは朝の4時という経験があります。ただ、これはプロジェクトによりますし、最近は改善傾向にあるとは聞いています。
■ 第3部:パートナーとマネージャー(EM)との関わり方の違い
Q:マッキンゼーの働き方はユニークですよね。パートナー、マネージャー、アソシエイトと階層がありますが、それぞれとの関わり方はどう違うのですか?
A:まず、現場監督であるエンゲージメントマネージャー(EM)とは、強固な信頼関係(トラステッド・パートナーシップ)を築く必要があります。もしEMからの信頼を得られれば、彼らはある程度任せてくれるようになり、2〜3時間おきに進捗や論理構成を確認するだけで済みます。逆に、新人などでまだ信頼がない場合は、EMが手取り足取り教えてくれる「親友」のような存在になります。
Q:では、パートナーとの関わりは? パートナーへの効果的なコミュニケーション方法が知りたいです。
A:パートナーは複数のプロジェクトを抱えており、時間は極めて限られています。彼らの時間を買うのは非常に難しいのです。ですから、パートナーと話す際は、クライアントにとって最も重要な質問や、EMでは答えられない業界特有の質問だけに絞るべきです。スライドの細かな修正などでパートナーの手を煩わせてはいけません。それは時間の無駄です。
Q:コミュニケーションのスタイルも変わりますか?
A:常に「トップダウン」でなければなりません。結論から構造的に話し、その後に補足情報を伝えます。
Q:その話を聞いて思ったのですが、パートナーは朝から晩まで30分刻みで会議をしていますよね。もし部下や、あるいは採用面接の候補者がボトムアップ(詳細から話すスタイル)で話し始めたら、「早く仕事に戻りたい」と思ってしまうでしょうね。
A:その通りです。特に最終面接はパートナーが出てくるので、回答は簡潔かつ構造的で、トップダウンでなければなりません。日本語は構造的にトップダウンになりにくい言語なので、意識して練習する必要があります。「まず結論、次に補足情報」という順番を守らないと、相手の忍耐力を消耗させてしまいます。
■ 第4部:コンサルキャリアの価値と、挑戦を迷う人へのメッセージ
Q:最後に、マッキンゼーや他の企業も経験されたChrisさんにお聞きします。コンサルティングファームで働くことは、キャリアにとって良い選択だと言えますか? マッキンゼーが提供する成長機会について教えてください。
A:間違いなく「イエス」です。単なるキャリアの踏み台としてではなく、自己成長の場として素晴らしい環境でした。短期間で多くの業界やクライアントと関わり、様々な分野の専門家である非常に優秀な人たちと働ける機会は滅多にありません。
Q:得られたものは大きかったと。
A:はい、在籍期間は短かったですが、学んだことは計り知れませんし、生涯の友人もできました。今の自分を形作る非常に重要な経験でした。
Q:激務や難易度の高さに尻込みしてしまう志望者に向けて、アドバイスや一言をお願いします。
A:今輝いているパートナーたちも、最初はみんなジュニアコンサルタントとして同じ苦労を経験してきました。やってみるまで自分の限界はわかりません。「What doesn't kill you makes you stronger(死なない程度の試練は人を強くする)」という言葉が好きなんですが、この厳しい環境をサバイブできたなら、あなたは経験豊富で強い人間になれているはずです。ですから、恐れずに、"Just do it"(ただやってみよう)と伝えたいですね。
■さいごに
マッキンゼーでの日々は、朝から晩まで「問い」と「構造化」に向き合い続ける連続です。
激しいスケジュールの中で、EMとの信頼関係を築き、パートナーに対してトップダウンで結論から語る――そのプロセス自体が、どの業界でも通用する思考力とコミュニケーション力を鍛えています。
「死なない程度の試練は人を強くする」という言葉どおり、厳しい環境だからこそ得られる成長機会が、ここには確かに存在しています。
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