Insight

佐藤さんインタビュー:【高卒→マッキンゼー】高卒でもマッキンゼー行けますか?(前編)

「【高卒→マッキンゼー】高卒でもマッキンゼー行けますか?」というテーマで、佐藤さんのインタビュー内容をお届けします。

はじめに

佐藤さんは元マッキンゼーのコンサルタントで、現在はStella careersの共同創業者。マッキンゼー時代の同僚である村木氏とともに、同社を立ち上げました。

東大・ハーバード出身のようなエリート経歴ばかりがマッキンゼーにはいると思われがちですが、佐藤さんはまったく異なるバックグラウンドを持つ“異色のロールモデル”です。

数回のキャリアチェンジを経て、未経験から戦略コンサルへの転身を果たした実績は、今コンサルを目指す人やキャリアに悩むビジネスパーソンにとって、大きなヒントになると思います。

高校時代と農民としての経験

私は島で生まれ育って、高校も島の中では進学校だったのですが、名前を書けば入れてしまうような高校に通っていました。高校三年生の時に大学に行こうかと考えたこともあったのですが、偏差値が32しかなかったので諦め、農民になりました。私の地元は米が有名だったので、米を育てていました。

友人との再会と大学進学の決意

農民とはいえ、ほとんど引きこもりがちだった時に、GWで同級生が本土から島に帰省していたので、東京の大学に進学した友人のK君と会いました。

K君は自分と同じゲームばかりやっているオタクでモテるタイプではなかったはずが、金髪でロン毛という全くの別人になっており、東京で彼女を作っていました。

そんなK君に、「お前さ、このままでいいの?」と深刻に聞かれました。私はそんなK君に一触即発されて受験勉強を始め、東京の大学に進学しました。もちろん、もともと偏差値32だったので勉強してもマッキンゼーからイメージする偏差値の高い大学ではありません。

大学生活と衝撃的な授業

大学生活はあまり楽しくありませんでした。島と比べて東京はキラキラしていて異世界転生のように感じたんのですが、自分はチェックシャツにリュックという典型的なオタクだったので。

大学で一つ目の授業に出た時に、外資系のIT企業の一番偉い人が来ました。彼は高卒からIT企業を作り上げた人でした。

彼の一言目が「お前たちは死んでいる」でした。それと同時にグラフを見せられて、「これはお前らの未来だ。お前ら100人ぐらいいるけど、年収1000万に行く人は多分一人だけだ」と言われました。

私は衝撃を受けました。『せっかく大学に入ってこれから始まると思ったのに、もう終わっているって』と思いました。
偏差値が全てではないけど、偏差値の力は間違いなく存在していて、偏差値によって入れる会社と入れない会社があるということを、彼は教えてくれました。

私はこの話を聞いてショックを受けましたが、同時に高卒からIT企業のトップに上り詰めた彼に興味を抱きました。

学歴ロンダリングの決意

彼に興味を持った私は、授業終わりに飲みに誘い、友人と三人で飲みに行きました。そこで私は、夢を持って東京に来たこと、同級生がかっこよくなっていてショックを受けたことを話し、どうしたらいいのかアドバイスを求めました。

彼は「君は学歴ロンダリングした方がいい」と教えてくれました。「大学から大学院に行くのは相対的に簡単」「勉強したら入れる」というお話を聞き、その日から毎日、学歴ロンダリングについてばかり考え、調べ、勉強をして、結果的にかなりいい大学院に入ることが出来ました。

社会人としてのスタートと最初の会社

JTCに入り、私は社会人としての生活をスタートしました。当時年収は500万ほどで、ITの仕事をしていました。当時は私も尖っていて、新卒で最初の一か月の研修で、偉い人と話した際に「この研修って意味ありましたっけ?」と聞いてしまいました。

一か月後に配属の紙が配られ、私の名前は一番下にありました。最初の配属から左遷されてしまったのです。その後も3回ほど左遷を繰り返しました。「もしかしたら俺って人として終わっているんじゃないか」と思うようになりました。

マッキンゼーへの道のり:わらしべ長者戦略

ただ私も、このままでいたくないなと思いましたし、自分はやれるとも思っていました。
一番初めに学歴ロンダリングを意思決定した時に、「俺はいつかマッキンゼーとかそういうところに入ってみたい」と思ったことを思い出しました。
ただ学歴ロンダリングでは入れないのではないかという一抹の不安を抱えながら大学大学院社会人を過ごしていたので、チャンスが来たら一撃で決めるしかないという気持ちになりました。
そこからは、自分の自宅に外国人の同僚を呼んで、死ぬほどケース面接を練習するという生活を一年半ほど続けました。
約10人で練習をしていた中で、最終的にはほとんど全員MBBのどこかに内定していました。
もともとは偏差値32の島の高校出身でも、勉強すればMBBに入れるということです。

転職回数とマッキンゼー入社までのステップ

私は、3回目の転職でマッキンゼーに入りました。
マッキンゼーにいた人を思い浮かべると、ストレートで入った人と、わらしべ型の人とくっきり分かれていた気がします。

マッキンゼーを狙いながらも、すこしずつ淡々と着実に積み上げていき、最後にはシュートを決めるという人がマッキンゼーにはかなりいました。
そして、このパスは再現性が高く存在しています。

わらしべ長者戦略の有効性

コンサル業界には波があって、人をガッと採用するタイミングを狙って応募するというのはかなり大事だと思います。どこの企業も、採用の基準は下げないと言ってはいますが、実態としてやはり入りやすくなります。特に私みたいな学歴が低いような人でも書類が通ります。書類さえ通れば、あとはどれだけ頑張って対策してきたかということでしかないので、同じ土俵で勝負することが出来ます。

もう一つ大事な視点が、自分がマーケットの中でどれほどの価値があるのかということです。価値が低すぎるところから、高いところに行くことはほとんどありません。わらしべ系キャリアを歩むのであれば、自分は今目標に対してどの位置にいるのかを理解していることが必要です。

転職をしている人の中には、エージェントの口車に乗せられて、横スライドやダウングレードな転職をしている人もいます。転職をする時は、この転職がわらしべの階段を上っているのか考えながら、いつか来るチャンスを虎視眈々と狙って、頑張って勉強し続けなければなりません。そして、わらしべの上り方はパスがたくさんあるので、わらしべキャリアをどのように登っていくのか、自分自身のわらしべロードをエージェントの人と相談して持っておくと良いです。

入社年齢とマッキンゼー入社までの期間

新卒の入社年齢は25歳です。わらしべ完了したのが30中盤です。

この間は3回転職をして、最後30中盤でマッキンゼーに入りました。

転職先の選び方:名のあるコンサルとブティック系コンサル

わらしべの期間にいるべき会社は、名のある会社です。入るのが難しい会社、あるいは入りたい会社の人たちが採用したいと思う会社です。

今の人材マーケットって、かなり競争が激しく。どこの企業も「人が採れない、採れない」と言っています。でも実際に「採れない」と言っている会社は、「じゃあどんな人を採りたいのか?」というと、ある程度はっきりしているわけです。だから、企業が採りたいと思っている人材が集まる“プール”に、まずは入ることが重要です。

この“プール”に入っていれば、書類の通過率はグッと上がります。大事なのは、ゴールである企業の1歩手前、つまり“その会社が欲しいと思う人材がいる場所”に自分を置けるかどうかです。

もちろん、1歩手前だけじゃなくて、2歩前、3歩前もあると思います。人それぞれの“わらしべ長者”のようなキャリアの道があるわけですけど、「コンサル業界を目指す」という視点で考えたときに、有効なルートの1つがブティック系コンサルです。

最初から大手のコンサルに受からない人も、今はけっこういます。昔よりも難しくなっていますからね。でも、ブティック系コンサルは、会社によって採用の方針がかなり違うので、門戸が広く開かれているところも多いです。

たとえば、未経験者を最初からバッサリ切る会社もある一方で、スタートアップ出身で勢いのある人ならどんどん通す会社もあります。つまり、大手コンサルがダメだった人でも、ブティック系なら最初の1社として入れる可能性は十分あります。

実際、ブティック系から“わらしべ”して、ステップアップしていく人もけっこういます。だからこそ、「まず1歩目をどこに置くか」という戦略として、ブティック系を狙うのは“意外とアリ”です。

ブティック系コンサルでの経験の価値

ブティック系のコンサルは、MBB(マッキンゼー・BCG・ベイン)出身の人を採用していたり、Big4でディレクターをやっていたような人をそのままディレクターとして迎えていたりします
そういう人たちの下でしっかり仕事をしてきたという経験があると、次のキャリアを考えるときに「その人の下でやっていたなら、うちでも通用するかも」と思ってもらえます。

また、そういう人たちの下で仕事をしていると、自然と“コンサル的な思考法”が身についていきます。コンサル的な考え方や進め方は、面接のときにとても役立ちます。
日々の業務の中で、そういう一流の人たちと長時間過ごすことで、自然とその思考や振る舞いが身についていく。つまり、仕事しながら学べる環境です。

もちろん、その時点で市場からの評価が劇的に上がるかというと、そうでもないかもしれません。でも、面接の場面では確実に強みになります。

ストレート入社とわらしべ長者戦略の比較

ストレートでマッキンゼーに入ることは、素晴らしいことだと思います。ただ、だからといってそれが全員にとっての最適解かというと、必ずしもそうではないと感じています。たとえば、私の知人で新卒や第二新卒でマッキンゼーに入った人が6年在籍していたケースもありますが、そういう人たちでも「早くに入ることが必ずしも良いとは限らない」と感じる場面があります。

一方で、私のように他業界や他ファームで経験を積んでから入ると、入社後の立ち上がりが早かったり、プロモーションがスムーズに進んだりすることもあります。それは、事前にある程度“地力”をつけてから入っているからです。結果的に、周囲から見ると「昇進が早い」「すごくできる人」に見えることもあるかもしれませんが、その背景には長年積み重ねてきた基盤があるわけです。

ただ、これは一つの側面に過ぎません。実際に入ってみると、マッキンゼーと他のコンサルティングファームでは、仕事の進め方や考え方がかなり違うと感じました。入社前は「まあ、今までのコンサル経験があるから大丈夫だろう」と思っていたのですが、いざ入ってみると「全然違うじゃん」と。正直、最初のプロジェクトではかなり苦戦しました。

特に違いを感じたのは、働き方や思考プロセス、そしてマッキンゼー内部に用意されている強力なフレームワークやナレッジ、アセットといった仕組みの部分です。これは他社にはなかなかないもので、外部から学ぶことが難しい領域でもあります。

もちろん、だからといって中途で入った人の知識やスキルが無駄になるわけではありません。特定の業界やテーマに関する専門性、ビジネスの現場で培った経験は、マッキンゼーの中でも確実に活かせる場面があります。
むしろ、それがあるからこそ提供できる価値もある。だから私は、「ストレートに入るのが正解」とも「回り道がいい」とも一概には言えないと思っていて、大事なのは自分に合ったルートで、どう地力をつけていくかだと思います。

キャリアチェンジに成功する人はどのような人?

やっぱり「わらしべの力」はあると思います。自分自身もこれまでに3回仕事を変えてきましたが、そのたびに微妙に働き方や考え方を変えてきた実感があります。もちろん、マッキンゼーに入ったときのようなインパクトのある「アンラーン(学びの捨て直し)」が毎回あったわけではないですが、それでも環境が変わるたびに何かしらを手放して、新しいスタイルを取り入れるということは自然とやってきました。

そういった積み重ねがあったからこそ、マッキンゼーに入った後の最初のプロジェクトでも、戸惑いながらでしたが、比較的スムーズに対応できたのではないかと思います。アンラーンもうまくできた方だと、自分でも感じました。

ただ一方で、世の中にはうまくキャリアチェンジができなかった人もいるわけです。たとえば銀行出身で、その業界に長くいた方なんかは、マッキンゼーに入ってからもなかなか成果が出せなかったということがあります。これはもう、その人のせいというよりは、銀行文化があまりにも深く染みついていて、それを短期間で手放すのが難しいということです。正直、誰でも長年染みついたやり方を変えるのは大変です。

そういう意味で言うと、「わらしべキャリア」の裏には弊害もあると感じています。ある程度の年齢になって、たとえば40代・50代でキャリアチェンジをしようとしても、長年の経験がむしろ“凝り固まり”として作用してしまって、うまくいかないケースも少なくない。世の中でよくある「年齢による転職の難しさ」って、まさにこの話だと思います。

でも、年齢に関係なくアンラーンできる人も確かにいて、そういう人は本当にすごいなと思います。実際、マッキンゼーに入って半年くらいで「この人もう無理なんじゃないか」と言われていた方が、そこから完全に生まれ変わったように成長して、見違えるようになったケースもありました。だから結局は、「年齢」じゃなくて「どれだけ自分を捨てられるか」です。プライドを手放して、一から吸収しようとする姿勢。それができる人は、何歳でも成功する可能性があると思っています。

逆に、これはちょっと偏見かもしれないのですが、“ピカピカ”な経歴の人たち――新卒から順調に成功して、ほとんど失敗を経験してこなかったような人たちが、30代後半や40代になって初めてキャリアチェンジを試みると、案外つまずくことがあります。
それはおそらく、これまで大きな挫折もなく順調に来てしまった分、自分のやり方や考え方を変える経験が少なく、「アンラーン」に慣れていないからだと思います。

そう考えると、意外と“ピカピカ”じゃない人――これまで多少遠回りをしてきた人、いろんな環境で揉まれてきた人の方が、後からキャリアチェンジする際には柔軟に対応できたりします。プライドがいい意味で少なくて、素直に学べる人の方が、結果的には成長できるのだと思います。

後編につづく

コンサル転職に興味がある方、是非以下のURLから公式LINEを追加して、村木とのキャリア面談を申し込んでみてください。そもそも転職するか悩んでいる、コンサル以外も興味がある、と言う方でも大歓迎です。是非一度お話しましょう!

keyboard_arrow_left

Go back to Insight