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【ケース面接練習 vol.5】マクドナルド六本木駅店舗の年間売上推定と売上向上策

はじめに

ステラキャリアズでは、支援者+村木(元マッキンゼー・マネージャー、面接官経験あり)でグループ型のケース面接練習を定期的に実施しています。

実際の面接で問われるような問いをテーマに、参加者がそれぞれの視点から回答し、村木含め全員で議論・振り返りを行うことで、ケース面接への対応力を磨くことを目的としています。

本記事では、「マクドナルド六本木駅店舗の年間売上推定と売上向上策」を題材にした回を紹介します。

お題説明

クライアント:六本木駅直結の地下にあるマクドナルド

課題:対象店舗の年間売上をフェルミ推定し、売上向上施策を提案せよ

条件:

・店舗特性(駅地下・視認性低・50席程度)

・ターゲット層(社会人・インバウンド)を考慮

第1問:年間売上をフェルミ推定せよ

考える際のヒント

✔推定プロセスを構造化

フェルミ推定は「構造化」が命です。いきなりざっくり数字を出すのではなく、次の手順で組み立てましょう。

Step1:営業日数を平日・休日で分ける

Step2:時間帯別(朝・昼・夜)に、来客数と単価を推定

Step3:来客数の根拠を「レジ稼働スピード」や「席数」から検証

Step4:チャネル別に分ける(店内・テイクアウト・宅配)

セグメント分けが精度を左右

平日と土日の稼働率は異なるうえ、朝・昼・夜の来客単価も変動します。また、六本木という立地では、Uber Eatsなど宅配の寄与率が高いことが予想されます。チャネルを漏れなくカバーすることが重要です。

採用すべき思考法

「トップダウン」ではなく「ボトムアップ」で、時間帯×客数×単価の積み上げ型で試算します。さらに、ピーク時間の顧客増加や宅配比率を補正することで精度を上げましょう。

また、問題を解く際に見落としがちな「落とし穴」にも注意しましょう。例えば、

・宅配売上の見落とし

・深夜営業など採算性の低い施策を感覚で提案

・「席数」基準の推定に偏り、テイクアウトや回転率を無視すること

などです。

回答例(YTさん)

推定値:約1.9億円(宅配含む)

平日

朝(7〜10時):60名 × 500円 → 9万円

日中(10〜18時):30名 × 800円 → 20万円

夜(18〜23時):30名 × 800円 → 12万円

合計:40万円 × 250日 → 約1億円

土日

朝:30名 × 500円 → 4.5万円

日中:60名 × 700円 → 35万円

夜:30名 × 700円 → 10.5万円

合計:50万円 × 100日 → 約5000万円

宅配

平日:日中16万円/日 × 250日 → 約3000万円

土日:6.4万円/日 × 100日 → 約640万円

総計:約1.9億円

第2問:売上を拡大するための施策立案

考える際のヒント

誰の財布を狙うか?

・既存顧客の単価アップ or 新規顧客の流入増

・B2C(個人) vs B2B(企業デリバリー)

どの打ち手が高ROIか?

・投資対効果の試算が不可欠。深夜営業などは、人件費+高熱費の増加で採算割れリスクが高い

・「固定費+変動費+追加売上」を定量化し、優先順位を決める

競合ポジショニング

・カフェ(快適空間) vs 牛丼チェーン(スピード+安さ)

・六本木の顧客は「利便性」だけでなく「快適さ」を求める傾向が強い

差別化の軸

空間価値:プレミアム席導入で単価アップ

デジタル価値:モバイルオーダー+ピックアップ導線で朝需要を取り込む

メニュー価値:和風アレンジで外国人客を獲得

参加者の施策要約

1. プレミアム席+単価アップ

Wi-Fi・電源付きの静音席導入 → カフェ競合に対抗

六本木の高所得層向けに単価を1.5倍へ

2. インバウンド認知獲得

地上看板+Google Map広告

多言語対応メニュー+SNS施策

3. 朝需要獲得(モバイルオーダー強化)

ピックアップ専用カウンター設置

「並ばないマック」で通勤層を獲得

4. 和風メニューで差別化

お茶漬け、ライスバーガーなどジャパニーズメニュー

牛丼チェーン対抗+外国人向け体験価値の提供

村木フィードバック(抜粋)

✔ 宅配の見落としは痛いです 。 「顧客行動チャネル」を漏れなく分解することが大切です。

✔ 深夜営業はコスト試算での採算はNGです。 感覚ではなく定量評価で判断することを心掛けましょう。

✔ 「UX課題」に着目した視点は素晴らしいと思います。(UI複雑・清掃不足・コーヒー品質など。)

✔ 提案の精度を高めるには「競合比較×顧客インサイト×財務試算」の三位一体が必要

まとめ・このケースを通じた学び

・セグメント分けによる精度向上

平日・休日、時間帯別(朝・昼・夜)、さらにチャネル(店内、テイクアウト、宅配)で構造的に分解することが、精度の高い推定に不可欠です。本ケースでは宅配を初期に見落とすミスがありましたが、Uber Eatsなどのデリバリー需要は都市型店舗で大きな割合を占めるため、抜け漏れ防止のチェックリストが有効です。

・課題設定からの論理構成

単なる「売上を上げる」ではなく、なぜ現在の売上に制約があるのかを明確化することが施策設計の起点となります。六本木駅地下という視認性の低い立地や、カフェや牛丼チェーンとの競合状況、UIの複雑さや店内の清潔感といったUX課題を仮説立てしてから施策を提案することで、ストーリーに一貫性が生まれるでしょう。

・収益性を伴う施策設計

アイデアの斬新さだけでなく、損益インパクトを意識することが求められます。深夜営業のような一見有効に見える打ち手も、人件費や高熱費を試算すればROIが低いことは明らかです。本ケースを通じて「費用対効果で優先順位を決める思考」が重要であるということを理解しましょう。

・ブランド体験による差別化

コモディティ化しやすい外食業態では、商品単体の価格勝負ではなく「体験価値」での差別化がカギになります。六本木エリアなら、Wi-Fi・電源付きの静音席や和風メニューで単価を上げる戦略が有効です。実際、スターバックスがワークスペースを取り込んで客単価を30%伸ばした事例は、本ケースにおいても示唆的です。

・デジタル施策の活用

都市型店舗では、モバイルオーダーやピックアップ専用導線の整備が「朝の時短ニーズ」に直結します。これにより、カフェ競合との差別化が可能になり、既存資産を活かした高ROIな打ち手となるでしょう。

世の中の打ち手事例と学び

マクドナルド USA:デジタル注文+モバイルピックアップを強化 → 待ち時間ゼロ戦略で回転率UP

スターバックス:プレミアム座席&ワークスペース併設 → 客単価+30%

日本の外食チェーン:インバウンド向け多言語施策&「和」メニューで単価向上

関連事例

実際に、ファストフード業界では「立地制約」や「競合のカフェ業態台頭」といった課題に対し、各社が「デジタル施策」や「体験価値の付加」によって収益を拡大する打ち手を取っています。

テキサス州のフォートワースに新しくできたマクドナルドの新店舗では、「Order Ahead レーン」を新設し、アプリ注文者専用のピックアップレーンを設けました。コンベア式受け取り窓口や配達ドライバー専用の待機エリアも併設され、注文から受け取りまでの待ち時間を大幅に短縮しています。これにより、従来型のドライブスルーと比較して効率性と回転率が改善されています。

https://www.fashionsnap.com/article/2024-12-27/la-mcdonalds-newformat

さらに、日本国内ではインバウンド需要の高まりに対応し、多言語対応メニューや和風メニューを導入する事例も見られます。これにより、単なる「食事提供の場」から「観光体験を提供するブランド」へと進化し、客単価の上昇とリピート率向上を同時に実現しています。

こうした事例は、本ケースにおいても示唆的です。六本木の店舗は、駅地下という視認性の低い立地を逆手に取り、「モバイルオーダーによる即時提供」「プレミアム座席での快適空間」「インバウンド特化メニュー」という三本柱を導入することで、差別化と収益性の両立が期待できます。

ぜひあなたも考えてみてください!

あなたなら、六本木駅のマクドナルドの売上をどう推定しますか?

そして、競合カフェや牛丼チェーンと差別化するために、どんな施策を打ちますか?

コンサル転職に興味がある方、是非以下のURLから公式LINEを追加して、村木とのキャリア面談を申し込んでみてください。そもそも転職するか悩んでいる、コンサル以外も興味がある、と言う方でも大歓迎です。是非一度お話しましょう!

この記事で紹介したケースのお題を実際に解いた練習動画は、転職面談を受けてくれた方に特典としてお渡ししています。動画を見ながら対策したい方は、ぜひ面談にお申し込みください。

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