【ケース面接練習 vol.6】コカ・コーラの国内市場規模推定とペプシからの売上奪取策
■ はじめに
ステラキャリアズでは、支援者+村木(元マッキンゼー・マネージャー、面接官経験あり)でグループ型のケース面接練習を定期的に実施しています。
実際の面接で問われるような問いをテーマに、参加者がそれぞれの視点から回答し、議論・フィードバックを通じてケース対応力を磨いています。
本記事では、「コカ・コーラの国内市場規模推定とペプシからの売上奪取策」を題材にした回をご紹介します。
■ お題説明
クライアント:コカ・コーラ(日本市場)
課題:
① コカ・コーラの国内市場規模をフェルミ推定すること
② ペプシから売上を奪うための施策を提案すること
条件:
・チャネル(家庭内/外食)、年齢別の飲用率、ブランドシェアを考慮すること
第1問:国内市場規模を推定せよ
■ 考える際のヒント
市場規模推定において重要なのは「正確な数字」ではなく、分解の構造と仮定の妥当性です。戦略コンサルのケース面接では、次のような観点を意識することが評価につながります。
✔チャネルの切り方
家庭内消費は「小容量(350〜500ml)」と「大容量(1.5〜2L)」で購買行動が異なります。小容量は個人ベース、大容量は世帯ベースで推定する方が自然です。外食は「単品提供」「ドリンクバー」「映画館・テーマパーク」と提供形態で分けると精度が上がります。
✔セグメントごとの消費習慣
年齢やライフステージで飲用率は大きく変化します。若年層は飲用率が高く、30歳以降は健康志向やコーヒーシフトにより減少します。ただし「ゼロ系コーラ」のような代替需要は残ります。シニア層にも「嗜好品としての炭酸需要」があるため、一定の消費を仮定すべきです。
✔代表サイズへの正規化
ml換算では桁が膨らみやすいため、500mlや350mlに揃えて本数ベースで計算すると、桁感の整理や暗算が容易になり説明力が高まります。
✔補足要素の考慮
インバウンド需要は見落としがちですが、市場規模を押し上げる要因です。季節性は存在しますが、推定時点では平均化し、必要に応じて施策議論の際に触れると効果的です。
■ 回答要約
YTさん
家庭内を小容量と大容量に分け、小容量は年齢別人口×飲用率×選択率で推計。大容量は世帯ベースで100本/年を仮置きし、選択率90%、単価250円で約1,300億円。外食は来店回数×注文率×採用率(50%)×単価300円で約900億円。合計で約2,900億円と推定。
MAさん
「自宅」「職場・学校」「外食」「飲み会」「イベント」の5シーンに分解し、頻度×容量で年間1.85兆mlを算出。500ml換算で約40億本、単価150円で約1.4兆円と試算。シーン分けはユニークだが、mlベースで桁が膨らみ過大評価となった。
第2問:ペプシから売上を奪うには?
■ 考える際のヒント
ペプシとの競争に勝つためには、単なる価格競争ではなく体験価値とチャネル戦略を重視する必要があります。
✔外食チャネル攻略
・映画館や大手チェーン店などの大口契約先を切り替えることはインパクトが大きいです。業務用ルートへのインセンティブやリベート設計を検討しましょう。
✔店頭での棚占有
・コンビニやスーパーで「ペプシを見る前にコーラを手に取らせる」ことが重要です。専用什器や冷蔵庫、レジ横配置などが有効です。
✔製品体験の差別化
・ゼロ系コーラの味改善、最後まで炭酸が抜けない容器、環境配慮型パッケージなど、製品体験を刷新することがシェア奪取の決め手になります。
✔B2Cのブランド強化
・SNSキャンペーンや音楽フェス・インフルエンサーとのコラボを通じて「コーラ=楽しい体験」という文脈を若年層に浸透させることが効果的です。
■ 提案要約
YTさん
・外食チャネルで卸営業を強化し採用率を上げる。店頭では専用什器や冷蔵庫を活用し、ペプシよりも視認性を高める。
MAさん
・B2Bではスイッチインセンティブや発注量連動特典を導入。B2Cでは「コーラの日」や音楽フェスとのコラボ、アーティストとのパッケージ展開でブランド好意度を強化。
■ 村木フィードバック(抜粋)
✔ 消費量や選択率を置く際には、必ず統計や調査データを根拠に置くことが必要になります。数値の「出所」を示すことで説得力が大きく増します。
✔ セグメント分けは「年齢」だけでは不十分です。「容量(小型/大型)」「チャネル(家庭内/外食/自販機)」「種類(通常/ゼロ系/フレーバー系)」を掛け合わせることで構造がより明確になります。
✔ 拡大施策を考える際は「誰の財布を狙うか」を明確にする必要があります。新規層の獲得か、既存層の単価アップか、B2CかB2Bかを整理するとより良い提案となるでしょう。
✔ 「ブランド文化醸成」や抽象的な打ち手はケース面接では評価されにくいです。まずは短期的にROIが見える施策から提示していくべきです。
✔ 数字はmlベースではなく「本数×代表サイズ」で統一した方が、暗算や面接官とのやり取りがスムーズになるでしょう。
■ まとめ・このケースを通じた学び
・セグメント分解による推定精度の向上
年齢だけでなく、容量・チャネル・種類を掛け合わせることで、より現実に近い市場推定が可能になります。本ケースでも「ゼロ系コーラ」や「映画館需要」を初期から取り込めていれば、さらに精度の高い推計となったでしょう。
・課題構造の特定が施策設計の出発点
「なぜペプシが残存シェアを維持できているのか」という構造的要因を明確化することが、施策設計の起点となります。映画館での独占契約やドリンクバー提供形態など、チャネル特性を特定すると提案に一貫性が生まれます。
・ROIを意識した打ち手の優先順位付け
外食チャネルの契約切替や店頭棚占有といった施策は、投資対効果が見えやすく短期的に有効です。一方で、文化醸成や長期的なブランド投資は意義はあるものの、ケース面接ではまず短期で成果が見える打ち手を優先すべきです。
・体験価値による差別化
飲料は「健康志向」「自己表現」「楽しさ」といった体験価値と親和性が高い商品です。ゼロ系の味改善や炭酸保持パッケージ、音楽フェスやSNSとの連動施策など、単なる飲料以上のブランド体験を提供することで差別化が可能です。
■ 関連事例
実際に、飲料業界では「健康志向の高まり」や「新興ブランドの台頭」といった課題に対し、各社が「フレーバー刷新」や「体験価値の付加」によって需要を取り込み、シェアを拡大する打ち手を取っています。
アメリカ市場では、コカ・コーラが「Diet Coke」を刷新し、4種のフルーツフレーバーと細身の缶デザインを導入しました。ミレニアル世代をターゲットに、従来の“ただのダイエット飲料”ではなく「冒険的な体験」を提供するブランドとして再定義しています。さらに、Netflixドラマで人気の若手女優を起用し、親近感のあるメッセージを発信することで、若年層の共感を獲得しました。
一方、ペプシは「bubly」を投入し、甘味料ゼロ・低カロリーを実現しつつ、遊び心のあるデザインと多彩なフレーバーを展開しました。缶に描かれた笑顔マークやユーモラスなコピーによって「楽しい体験を提供する炭酸水」というポジションを確立し、健康志向とエンタメ性の両立を図っています。
さらに、新興ブランド「LaCroix」はSNSを主戦場にし、インフルエンサーやユーザーと共にブランドを作り上げる手法で急成長を遂げました。定番の広告媒体を使わず、SNS発の共創的なエンゲージメントを通じて「飲むこと自体がステータス」となる体験を提供しています。
https://blog.btrax.com/jp/ux-marketing/
こうした事例は、本ケースにおいても示唆的です。単なる「飲料の提供」ではなく、「健康」「自己表現」「共創」といった体験価値を意識した商品・チャネル戦略を打つことで、ペプシからのシェア奪取を実現できる可能性が高まります。
ぜひあなたも考えてみてください!
あなたなら、コカ・コーラの市場をどう推定しますか?
そして、ペプシからシェアを奪うために、どんな施策を打ちますか?
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